福井県子どもの本の帯コンクール受賞作品紹介
受賞者
優秀賞 審査員特別賞 3名
優秀賞 福井県立図書館長賞 2名
受賞作
優秀賞 福井県学校図書館協議会小学校部会長賞
- 受賞者
勝山市立 三室小学校 4年生 川森 彩子さん - 対象図書
『世界でいちばんやかましい音』ベンジャミン・エルキン/作 松岡享子/訳 太田大八/絵 こぐま社 - 講評
この本を手に取った人が、「計画していたけれど…」の続きを読みたくなる、そんな帯のコメントに工夫があります。また、「どんな人にも楽しめる本ですよ」という川森さんの言葉通り、大人の私も楽しく一気に読んでしまいました。そして、世界中の人がギャオギャオ王子の誕生を喜んでいることが、地球の絵と添えられた吹き出しから伝わってきました。ワクワクする帯に仕上がりました。
講評 福井県学校図書館協議会小学校部会長(福井市東郷小学校校長) 出口 津代子氏
- 受賞者
大野市和泉小学校 5年生 巣守 希実さん - 対象図書
『絵で見る 日本の歴史』 西村繁男/作 福音館書店 - 講評
帯の表面と裏面、背表紙、そして内側まで、実に丁寧に仕上げたことが、見ただけですぐに分かる帯です。字の色や大きさなどのバランスも、それを見た人にとって見やすいようにという、巣守さんの優しさ、気配りが感じられます。特に「大好きに!」という字のところが強く伝わるように工夫されていて、ぐっと引き込まれました。
講評 福井県学校図書館協議会小学校部会長(福井市東郷小学校校長) 出口 津代子氏
- 受賞者
越前町立糸生小学校 5年生 西山 泰加さん - 対象図書
『せかいのこどもたちのはなし はがぬけたらどうするの?』 セルビー・ビーラー/文 ブライアン・カラス/絵 こだまともこ/訳 フレーベル館 - 講評
まず、「歯」の話と書いてあるのに「羽をつけた妖精」や「お金」、「ねずみ」「まくら」の絵が描かれているのに「?」を感じ、どうしてなんだろうとつい表紙をめくってしまいました。きっと、世界中の子どもたちの「歯」のゆくえに関係があるのでしょうね。西山さんの読者を誘う工夫が見られ、感心しました。
講評 福井県学校図書館協議会小学校部会長(福井市東郷小学校校長) 出口 津代子氏
優秀賞 審査員特別賞
- 受賞者
福井市越廼小学校 3年生 池田 結愛さん - 対象図書
『きえた犬のえ(ぼくはめいたんてい)』 マージョリー・ワインマン・シャーマット/ぶん マーク・シーモント/え 光吉夏弥、小宮由/やく 大日本図書
- 講評
図書館や本屋さんには、たくさんの本が並んでいます。「どの本にしようかな?」と、迷っているとき、まっさきに見るのが、本の「タイトル」。そして「帯」です。
池田さんの帯は、短い言葉で本の魅力を最大限に語り、「読んでみたい!」と、読者の心をしっかりつかんでいます。ヒントの絵を見て、「これは何だろう???」という、ワクワク感! 本を読み終えたとき、その答えが見つかり、きっと読者は笑顔になるでしょう。
講評 別司 芳子氏(児童文学作家)
- 受賞者
永平寺町吉野小学校 4年生 角井 亮太さん
- 対象図書
『石の卵』 山田英春/文・写真 福音館書店 - 講評
表紙の写真には、本のまん中にでーんと大きな灰色の石がひとつ。タイトルは淡い黄色、バックは黒色とシンプルです。ところが角井さんの帯をつけたとたん、本が輝きました。タイトルと同じ温かみのある黄色の紙を選び、石の半分だけ輪郭をかたどり、細かな模様が描かれています。本と帯との一体感がとても素晴らしく、説明の文字からもいっしょうけんめいさが伝わってきました。このまま本屋さんの店頭に、並べてほしい作品です。
講評 別司 芳子氏(児童文学作家)
- 受賞者
福井市東郷小学校 4年生 平鍋 智花さん
- 対象図書
『絵で見る ある町の歴史』 スティーブ・ヌーン/絵 アン・ミラード/文 松沢あさか、高岡メルヘンの会/訳 さ・え・ら書房 - 講評
この本はある町の誕生から現在までの人々の暮らしが、とても細かくていねいな絵で描かれています。見ているだけでも楽しめますが、絵の中にかくれているタイムトラベラーを見つけることで、おもしろさが何倍にもふくらみます。平鍋さんは、その歴史の案内人であるタイムトラベラーに焦点をあてました。帯のおかげで、読者はタイムトラベラーの存在に気づき、より深くその時代を「さぐり出す」ことができます。平鍋さん、ありがとう!
講評 別司 芳子氏(児童文学作家)
優秀賞 福井県書店商業組合賞
- 受賞者
おおい町立本郷小学校 5年生 木村 遥花さん - 対象図書
『雑草のくらし』 甲斐信枝/さく 福音館書店
- 講評
カラフルだけれどもやさしい雑草の絵の表紙にかけられた帯には四角の中に草よりも雑の方が大きい「雑草」の文字。そして春・夏・秋・冬の文字が大きく、それぞれの季節を表現する色で書かれています。このインパクトは大きくふだん気にもとめない雑草も、四季をめぐるとどんな変化があるのだろうかという興味が。そして「知らない、気になる人はぜひ」のメッセージと弧を描いた→が本を開く後押しをしてくれるベストな帯です。
講評 福井県書店商業組合 副理事長(じっぷじっぷ) 清水 祥三氏
- 受賞者
大野市 和泉小学校 5年生 杉本 和帆さん
- 対象図書
『世界を救うパンの缶詰』 菅聖子/文 やましたこうへい/絵 ほるぷ出版 - 講評
パンが顔を出している缶詰にロケットそして白い山高帽のパン屋さんが描かれた表紙。その半分くらいの大きさの帯に書かれたコピー「パンの缶詰が生まれたきっかけは阪神淡路大震災でした」にはこの本を手に取らせる力があります。裏にはパンを缶詰に入れる図も描かれていて、パンの缶詰が出来上がるエピソードが興味を引き、食べてみて下さいというおすすめまで。
おいしそうないくつものパンのイラストも楽しい帯になっています。
講評 福井県書店商業組合 副理事長(じっぷじっぷ) 清水 祥三氏
優秀賞 福井県立図書館長賞
- 受賞者
おおい町立本郷小学校 5年生 立山 結葵さん - 対象図書
『長くつ下のピッピ』(リンドグレーンコレクション) アストリッド・リンドグレーン/作 イングリッド・ヴァン・ニイマン/絵 菱木晃子/訳 岩波書店
- 講評
帯の表紙、背、裏表紙それぞれの場所に合わせた工夫がありました。背という狭い部分に縦書きで描いた「ビックリ‼」が、本棚に並んでいても手に取りたくなります。表紙では、少ない文字数でわかりやすく描いた主人公ピッピの驚きの特徴にひきつけられます。裏表紙では、色とりどりの「長くつ下」が並び、楽しい雰囲気が伝わりました。この本を楽しんでくれた立山さんの気持ちが本を手に取る人に伝わる帯になっています。
講評 福井県立図書館 子ども読書推進室長 田中 智美氏
- 受賞者
福井市 東郷小学校 5年生 田谷 望さん - 対象図書
『名探偵カッレ城跡の謎』(リンドグレーン・コレクション) アストリッド・リンドグレーン/作 菱木晃子/訳 平澤朋子/絵 岩波書店
- 講評
短い文章の中に、主人公について、主な登場人物の名前、事件の発端となる人物について、過不足なく明快に描かれていて文章に工夫がみえます。「とつぜんあらわれた」「正体とは…?!」は、この本の謎を予感させ、本を手に取る人を読みたい気持ちにさせてくれます。この物語の鍵になる物として田谷さんが選んだ虫眼鏡、手帳、ブリキの箱の絵もミステリアスな雰囲気を盛り上げていて、この本の魅力を伝えています。
講評 福井県立図書館 子ども読書推進室長 田中 智美氏
受賞作品の活用について
原寸サイズで印刷すると、本に巻くことができます。
- 原寸サイズ
『世界でいちばんやかましい音』569×65mm
『絵で見る 日本の歴史』882×95mm
『せかいのこどもたちのはなし はがぬけたらどうするの?』778×95mm
『きえた犬のえ(ぼくはめいたんてい)』534×80mm
『石の卵』604×89mm
『絵で見る ある町の歴史』950×110mm
『雑草のくらし』840×99mm
『世界を救うパンの缶詰』542×95mm
『長くつ下のピッピ』490×50mm
『名探偵カッレ城跡の謎』493×60mm
受賞作品は、印刷されて帯として本に巻かれて、県内の書店に並びます。
取扱いの書店や取扱い時期については、福井県書店商業組合(問い合せ先:じっぷじっぷ)まで。
※福井県書店商業組合加盟の書店は、小冊子配布場所に掲載の書店名をご覧ください。→子どもの成長段階に応じた推奨図書 小冊子配布場所
審査について
審査員
福井県学校図書館協議会小学校部会長 出口 津代子氏
児童文学作家 別司 芳子氏
福井県書店商業組合 副理事長 清水 祥三氏
福井県立図書館長 佐々木 智宏氏
審査の様子
令和5年1月17日に、福井県立図書館にて、審査が行われました。
関連リンク
福井県子どもの本の帯コンクール
福井県の子どもの読書活動推進事業(トップページ)
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