ニホンザルの被害を減らそう!
令和2年9月2日(水)、鳥獣被害をみんなで身近に考える研修会を開催しました。
新型コロナウイルス対策として、会場の定員を通常の半分以下にし、また、Web会議システムを利用し、敦賀市とおおい町にサテライト会場を設けることで、より多くの方々に参加していただけるようにしました。当日は3つの会場を合わせて約150名が参加され、サル被害軽減に対する関心の高さを感じました。
嶺南地域では昔から多くのニホンザルの群れがあり、被害が続いています。今回の研修ではニホンザルの生態研究の専門家であり、自らも居住集落において熱心に対策を実践されている赤座久明氏を富山県からお招きし、ニホンザルの生態と被害対策の先進事例等をご講演いただきました。
サルの被害を抑えるために大切なのはサルの好まない集落づくりをすることが大切です。サルの好まない集落とは、餌となる放置果樹を伐採したり、畑に侵入されないよう防護柵を作成したり、追い払いなどによりサルに圧力をかけ、サルにとって採食効率が悪く、身の危険を感じさせる集落のことです。
赤座氏は「鳥獣害は自然災害と同じ。頭はクールに、心はホットに、淡々と対策をするだけ。細々でも、継続的な活動が重要。一人でもやれる範囲でやっていればいつか地域も変わっていく。頑張らないけど、諦めない。」とおっしゃっていました。
嶺南振興局では昨年度、40丁の追い払い用玩具銃(電動エアーガン)を嶺南6市町12集落に貸与し、鳥獣被害の軽減対策を支援しています。これらの集落の方々に、エアーガンとロケット花火、爆竹などを利用し、サル追い払いのモデル集落として活動していただいています。
今回の研修会では、小浜市のモデル集落である飯盛地区の地村敏幸氏からニホンザルに対する追い払い活動の報告がありました。
令和2年の2月、県が主催した獣害カレッジに参加し、居住する集落に出没するサルの群れに発信機がついていると知った地村さん。アマチュア無線の経験を活かし、毎日のようにサルの群れの位置を特定し、【福井県サル出没情報共有システム(https://saru.pref.fukui.lg.jp/)】に情報を登録し、他の住民有志と共に積極的に追い払いに取り組んでいます。
成果としましては電動エアガンやロケット花火を使い追い払いをすることでサルが人を警戒して移動するようになったり、地村氏の車を見ると逃げるようになったりとサルに圧力をかけられているようです。今後は、「追い払いに加え、放置果樹の伐採、野菜くずを田畑に捨てないなどサルの好まない集落づくりを進めます。」とおっしゃっていました。
この後、敦賀市、美浜町、若狭町、おおい町、高浜町より、各モデル集落の鳥獣害対策についての報告がありました。各集落とも追い払いの効果が確認でき、昼間の追い払い、サルの好まない集落づくりなどの課題に取り組んでいくと意欲的でした。
9月3日は黒駒区の集会場にて、赤座氏、地村氏を交え、鳥獣害対策について意見交換をしました。赤座氏はこれまでの活動経験や富山の事例をもとに助言をし、地村氏は助言を受け「これからの活動の励みになった」と今後の鳥獣害対策に意欲を示していました。
引き続き嶺南振興局は、鳥獣害被害の軽減対策に取り組む住民の皆様を応援していきます。(西村、幅口、清水)
上左:赤座講師の熱弁に引き込まれる参加者(9月2日)
上右:満員御礼のサテライト会場(おおい町総合運動公園・悠久館)(9月2日)
下左:今後の飯盛地区の獣害対策について打合せ(写真左上:赤座氏 左下:地村氏)(9月3日)
下右:鳥獣被害をみんなで身近に考える研修会 チラシ
アンケート
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嶺南振興局農業経営支援部
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