下水道の役割

最終更新日 2011年5月27日ページID 001413

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下水道の役割

 

下水道の役割は時代と共に変遷してきた。 19世紀までは、雨水の排除による浸水防除、汚水の速やかな排除、便所の水洗化が大きな目的であった。 その後下水道が汚水処理施設を有し、水質汚濁防止に有効な施設と認識されることとなったことから、さらに公共用水域の水質保全という役割を担うことになった。今日、下水道は次のような役割を果たしている。

生活環境の改善(汚水の排除)

生活環境の改善  
 生活、生産活動に伴って生ずる汚水が速やかに排除されず、住宅周辺に滞留すると、 悪臭や、蚊、蠅の発生源となるだけでなく、伝染病の発生の可能性も増大する。 下水道の整備により、汚水は速やかに排除され、周辺環境は向上する。
 また、汚水は下水管により排除されるため、住宅のまわりの側溝がなくなり、街並みも清浄化される。
 
 
 
 水洗は、文化のバロメーターともいわれ、快適な生活と良好な環境のため生活環境の改善2の重要な要素である。
  従前のくみとり式トイレは、収集運搬時の臭気等が個々の家庭生活やその周辺に不快感を与え、伝染病の媒体となる蚊や蠅の温床となるなどの弊害があるので、環境衛生改善のためにも水洗化を図っていく必要がある。
 下水道が整備されることにより、便所の水洗化が可能となり、個々の住宅で衛生的で快適な生活を送れるだけでなく、し尿は、下水管渠中を他の汚水とともに運搬され、下水処理場で効率的に処理されることになる。

公共用水域の水質保全

  水質保全                         

 汚水が処理されないまま、河川などの公共用水域に排出されると、その水質汚濁が進行することとなる。 公共用水域の水質悪化は、上水道、漁業、農業用水、工業用水さらに水浴などのリクリェーションの場としての価値減少など、あらゆる分野に直接的あるいは間接的に被害をもたらすこととなる。 
水質保全2

 下水道は、汚水を収集、運搬、処理することから、河川などの公共水域の水質汚濁の防止に積極的な役割を果たし、豊かな自然環境を保全するために大きく寄与するものである。

雨水の排除(浸水の防除)

 下水道は、河川流域内に降った雨水を面的に集めて河川、海域、湖沼等へ排除するいわゆる内水排除施設の役割を受けもっている。
 わが国のように降水量の多い国では、河川とともに下水道の果たす役割が大きくなっている。 特に、都市化が進展した地域では、在来水路の不足に加えて、雨水の浸透および貯留能力の減少などにより雨水流出量が著しく増大するため、都市内の水害から住民の財産を守るため、緊急に下水道を整備することが必要となっている。

下水道資源および施設の有効利用

 下水処理水はリサイクルにより資源として有効活用できる。 雑用水道(中水道)、工業用水道等の直接利用のほか、親水利用等の間接利用が考えられている。 特に、渇水の恐れのある都市部では、貴重な水質源となる。
 また、下水処理に伴い生じる汚泥については、コンポスト化、汚泥焼却灰のタイル・建設骨材等への利用が進められている。
 さらには、下水を熱源とするヒートポンプによる地域冷暖房、汚泥処理ガスによる発電、通信用光ファイバーケーブル等の下水道管への敷設なども実用化されている。

下水道の仕組み 
 下水道施設は、下水管、ポンプ場、処理場から構成されている。家庭、工場、事業所から排水される汚水は、各家庭や工場に設けられた排水設備から汚水ますに流れ込み、下水管を通じて処理場へ流入し、清浄な水に処理された後、公共用水域に放流される。
 
1)管渠

 下水の排除方式としては汚水と雨水を別々の管渠系統で排除する分流式と、汚水と雨水を同一の管渠系統で排除する合流式がある。
 しかしながら、近年の下水道では公共用水域の水質保全の見地からほとんどの下水道で分流式が採用されている。
 
 
管渠
 
管渠2
2)ポンプ場
 
 管渠は、原則的に自然流下により下水を集め運搬するよう勾配がつけられているため、一般的に下流になるほど深く埋設される。
 管渠の埋設深さがある程度以上深くなると費用および管理の面から不利になるため、ポンプ場を設置して下水を汲み上げ、管渠の埋設深さを浅くする。
 
3)終末処理場(浄化センター)
 
 終末処理場では、集められた下水を微生物などを利用した生物処理により浄化した後、公共用水域に放流する。
 
 
処理場

主な生物処理法  
生物処理法


 

 

 

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