台風14号の接近に伴う農作物等の管理対策の徹底をお願いします
台風14号の接近に伴う農作物等の管理対策の徹底について
令和2年10月8日
福井県農業総合指導推進会議
○強風対策 ○大雨対策 |
1 共通事項
・人命第一の観点から、大雨・強風の中での圃場の見回りはしない。
・大雨や強風がおさまった後でも、増水した河川や水路等の危険な場所には近づかない。
・排水溝を掘り直す。特に、冠水や浸水しやすい圃場は、重点的に排水対策を実施する。
・台風通過後は適切な病害虫防除に努める。
2 園芸施設等
<通過前>
・雨水がハウス内に侵入しないよう排水溝を点検する。
・冠水した場合に備え、排水用のポンプを準備しておく。
・ハウスの浮き上がりを防ぐため、パイプの基礎部の土を踏み固める。特に、新設ハウスは被害を受けやすいのでアンカー増設等の対策を行う。
・ハウスバンドを締め直し、被覆材の破損部の補修や筋かいの補強を行う。出入り口の戸車やレールのはずれがないか点検し、必要な修繕を行う。
・周囲に防風ネットが設置してある場合は、点検、補強を行う。
・飛来物による損傷を防ぐため、ハウス周辺に飛ばされるものがないか点検し片づけておく。
・風が強くなってきたら天窓、サイドビニール、入口を閉める。換気扇があるハウスでは、換気扇を稼働し減圧に努め、フィルムのばたつきを防ぐ。
・停電に備え、手動換気等の手順を確認しておく。非常電源を確保し事前に動作確認を行っておく。
<通過後>
・浸水した場合は、排水ポンプ等により、速やかに排水する。
・風の心配が無くなったら、直ちにハウスのサイドや天窓を開けて換気に努める。
・ハウスの各部を点検し、必要な修繕を行う。
・マルチ栽培をしている畝が冠水した場合は、中が水分過多となりやすいので、マルチを除去したり、畝肩までめくり上げ、土を乾かす。
・土壌表面が固くしまった場合は、軽く中耕し、表土の通気をよくする。
3 大麦・大豆・そば
・排水溝や落水口を確認し、手直しを行う。
・大麦作付予定圃場では、降雨前に排水溝、補助暗渠を設置し、排水溝は落水口にきちんとつないでおく。
・大麦の播種作業は土壌水分が低下している状態で行い、湿潤状態では播種しない。
<通過後>
・圃場の停滞水を早急に排水する。
4 野菜(施設)
・果菜類では、根傷みや草勢低下を防ぐため、摘果や若どり等を行い、株の負担を軽減しておく。
<通過後>
・茎葉が損傷した場合、細菌病が発生し易くなるので速やかに被害株や被害葉を除去し、防除を行う。
・液肥の葉面散布や追肥を行い、生育の回復に努める。
5 野菜(露地)
・確実に表面排水されるよう、排水溝を手直しする。
・ネギは倒伏しないよう、土寄せを行う。
<通過後>
・冠水が見られる場合は、ポンプによる強制排水を行う。
・茎葉が損傷した場合、細菌病が発生し易くなるので速やかに被害株や被害葉を除去し、防除を行う。
・液肥の葉面散布や追肥を行い、生育の回復に努める。
・土壌表面が固まった場合は、軽く中耕して土壌中に酸素を供給し、根張りの回復を図る。
・根元が露出している場合は、軽く土寄せを行う。
6 果樹
・支柱等で枝を固定し、枝揺れによる果実の傷や枝折れ・落果を防ぐ。
・肥大の進んだカキでは、枝の揺れによる果実の傷や枝折れを防ぐため、支柱等の設置・点検・補強を行う。
・ナシ等の棚栽培では、風による棚面の動揺を防ぐため、棚の「あおり止め」などの点検を行うとともに、枝梢を棚に誘引・結束しておく。
・ブドウ等の施設栽培は「2 園芸施設等」の項に従って対策を行う。収穫が終了してビニールが除去できるハウスは除去する。
<通過後>
・倒木した場合は速やかに立て直し、強度のある支柱等にくくりつける。枝が裂けた場合は裂開面を接合して、強く結束する。折れた場合は切り戻し、切り口に癒合剤を塗布する。
・果実にキズを生じた場合は、品質を見ながら摘果を行う。
7 花き
・畝の両端の親支柱や中間支柱はしっかり打ち直し、中間にタルキグイを入れて補強する。
・畝の横風対策として、通路をまたぐように隣の畝の支柱どうしをハウスバンドで連結して固定する。
・フラワーネットは花の先端から3分の1程度下がったところで支持する。
・冠水しないように、排水溝や落水口を手直しする。
<通過後>
・圃場の停滞水を早急に排水する。
・茎や葉が傷つくと、病害が発生するので、薬剤などで病害防除を徹底する。
・強風により傾いた場合は、長時間そのままにしておくと曲がったまま元に戻らなくなるので、速やかに起こす。
8 畜産
・突風による施設の損傷、倒壊等を避けるため、畜舎出入り口扉、窓、外壁等の事前点検と補修を行い、台風接近時は戸締りを行う。
・飼料と燃料は、1週間以上家畜を飼養するために必要な量を在庫として確保するよう努める。可能であれば自家発電機等の停電対策を準備する。
・放牧地においては、牧柵等の破損、土砂崩れ等の発生する危険がある場合は、速やかに牛を牛舎に引き上げる。
<通過後>
・畜舎等が浸水した場合は、すぐに排水し、疾病予防のため洗浄・消毒し、乾燥に努める。
・踏込消毒槽は泥や雨水が混入すると殺菌効果が低下するため、点検頻度を増やし早めに消毒薬を交換する。
・牧草地で侵食や土砂流入が発生した場合は、早急に現状復帰を図り、生産力回復の必要があれば牧草の播種等を行う。
9 鳥獣害対策
<通過後>
・鳥獣害対策として、圃場や畜舎周囲に設置してある電気柵・ワイヤーメッシュ等の防護柵の点検を行い、速やかに修繕を行う。
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