職場のトラブルQ&A ~兼業理由の懲戒解雇~

最終更新日 2008年4月18日ページID 000255

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 私が勤めている会社では、就業規則に「会社の許可なく他に雇用されたときには、懲戒処分とする」との項目があります。先日、休日に会社に無断でアルバイトをしていることが判明し、これを理由に「懲戒解雇する」と言われましたが、応じるしかないでしょうか。

 就業規則に「二重就職(兼業)の禁止」を定めることは、労務提供に影響を及ぼしたり、企業・職場秩序に影響を及ぼすことを防止するためのものと解されています。
 裁判例でも兼業することにより、本来の労務提供が困難になったり、企業の経営秩序を害したりするときなどは、懲戒解雇が有効とされる場合もあります。しかし、そのような事情にない場合は、兼業をしていることのみを理由に、懲戒解雇まですることはできないと判断されるようです。
 本来、就業時間外の行動は労働者の自由ですが、あなたのアルバイトが職務専念や秩序遵(じゅん)守の義務に触れるか否かなど総合的に判断されますので、兼業の内容などを会社に十分説明してはいかがでしょうか。

解説

 多くの会社の就業規則には、「会社の許可なく他人に雇い入れられること」を禁止し、その違反を懲戒事由として定めています。
 裁判所の大勢は、就業規則で二重就職(兼業)を禁止することの合理性を認めつつも、勤務時間以外の時間については、本来、使用者の支配が及ばないことを考慮して、二重就職(兼業)の禁止の制約の範囲を限定的に解釈しています。

 兼業理由の解雇の有効性が争われた代表的な裁判として、
  解雇を有効とした裁判例
  1 労務提供に支障をきたす程度の長時間の二重就職を理由とする解雇が有効とされたもの(東京地裁判決 昭57.11.19 小川建設事件)
  2 競争会社の取締役への就任を理由とする懲戒解雇が有効とさたもの(名古屋地裁判決 昭47.4.28 橋元運輸事件) 
   解雇を無効とした裁判例
  1 勤務時間前の新聞配達を理由とする懲戒解雇が無効とされたもの(福岡地裁判決 昭59.1.20 国際タクシー事件)
  2 年間1、2回の貨物輸送のアルバイトを理由とする解雇が無効とされたもの(東京地裁判決 平13.6.5 十和田運輸事件)
があります。

参考

 

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