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最終更新日:2012年01月04日
FM福井「Life Is」
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このページは、平成23年12月16日(金)放送のFM福井の「Life is」での知事の発言をまとめたものです(インタビュアーはFM福井の飴田彩子アナウンサーです)。
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【飴田アナ(聞き手)】
今日のこの時間は、福井県知事、西川一誠さんをスタジオにお迎えしております。
年末ということですけれど、今年は西川知事にとってどんな1年だったでしょうか。
【知事】
まだ全部終わっていないのですが、年末には、長い間懸案のいろいろなプロジェクトが良い結果になると いいと思っています。
【聞き手】
今日のこの時間は、福井県独自の英語教育についてお話をお伺いしていきたいと思います。
現代はグローバルの時代などと言われまして、ますます英語に関心が高まっているようですけれども、西川知事も英語教育には大変力を入れていらっしゃるということですね。学力的には福井県の子供たちは、全国でもトップクラスだと言われていますよね。
【知事】
そうですね。小中学校は学力高いですから、結局はこれが高等学校の英語にも影響していると思います。そして、入試センターのリスニング問題などでも成績は日本一だと言われており、受験はそんなに弱くない県です。今日は英語のお話ですが、中国語など、いろいろな外国語一般の強化を図らなければならないわけです。
【聞き手】
学力がトップクラスでありながら、あえて西川知事が英語教育に力を入れているというのは一体なぜなのでしょうか。
【知事】
私はマニフェストで、中学を卒業したときには英語がまあまあ少ししゃべれるように、それから、高校を卒業したときには普通の日常的な話し方、コミュニケーションがとれるようにと書きましたが、どうも8年以上が過ぎて、それが実行できているかというと、言葉ですから評価は難しいのですが、気になっているのです。また、現在の世の中でも、こういう語学力の要請は強いですよね。
【聞き手】
受験英語よりもむしろ、英語のコミュニケーション能力を上げていきたいというお考えですね。
【知事】
そうです。受験英語とコミュニケーション英語がどういう関係にあるかというのはまた難しい議論があるようですが、しかし、日常的にしゃべったり聞いたりする能力がそんなに進んでいないという心配があるわけです。一般にコミュニケーション能力と言いますけれども、英文読解的な英語では実際に役に立たない、英語のニュースを聞いても聞き分けられない、映画を見てもそんなに分からないということですね。
これからは仕事のときなどに、メールなどのいろいろなツールを活用しなければいけないと思うのですが、英文で簡単なメールを書けるかというと、どうも心もとないというようなこともあり、いろいろな改善がこれから必要でしょう。
【聞き手】
コミュニケーション能力と言いますと、読んだり書いたりすることも大切ですが、聞き取ったり、しゃべったりといったことにも重点を置いていきたいという、そういうことなんでしょうか。
【知事】
そうですね。先日、県内の中学校、高等学校の授業を、英語の科目を中心にいくつか見学して来ましたが、日本語であっても大きな声ではっきり話す児童・生徒が少ないように見受けられました。そうなりますと、英語でも同じですが、他の国の言葉をはっきりしゃべるということは、もっと難しいわけですから、いろいろな問題が学校の教育としてあるように思います。
それから、動機づけの話ですが、日本の場合、普通ならば日本語で一生暮らせると思いますが、他の小さい国ですと言葉を覚えないと就職できないとか、自分がこれから発展できないということがよくあります。
日本のように、英語を勉強する唯一の動機が入学試験や大学入試だということになり、それはそれで重要だとは思いますが、いわゆる「受験英語」になってしまうのではいけないと思うのです。
【聞き手】
なるほど。確かに学校で教わる英語は、受験では役に立っても、なかなか日常生活では役に立たないなどと言われたりしますね。
【知事】
そうですね。それは役に立たないというよりも、役に立つように教えていないということかもしれません。これは日本全体の悩みですけど、福井県も、そういう根本的な課題に挑戦すべきです。
日常英語を教えますと、例えば、「Excuse me.」とか、あるいはちょっとしゃべるのにつっかえると「Let me see.」と言いますよね。こういうものの意味を教えるのが大事だと思うのです。
「Excuse me.」というのはどういう文法構造をしているのかということを教えませんと、単に表面的な言葉になってしまいます。「Excuse me.」は「I’m sorry.」とどう違うかなどですね。
例えば、人の前を横切るときに「失礼、前を通りますよ」というニュアンスですが、1人の場合は「Excuse me.」ですが、2人だったら「Excuse us.」と言うのか?などということを教えると英語の仕組みが分かり、「Excuse me.」の本当の意味を理解してしゃべれることになるのです。
「Let’s go.」はこれは使役の動詞ですよね。この「Let’s go.」は「Let us go.」ということが最初の授業、あるいは子どものころから知っている英語ですが、これが「Let me see.」と同じ文なのだということが分かることが必要でしょう。
【聞き手】
確かにそうかもしれませんね。
例えば映画などを見ていても、「あ、こういうときにこういう言い回しするんだ」などと意外に思うことがありますよね。
【知事】
そうですね。先日も「赤毛のアン」のリマスター版というのでしょうか、編集したものを見ましたが、画面に映る字幕スーパーと聞こえる英語の言葉は、似てるものとほとんど違うものがありました。またカナダの英語ですから、ハリウッド英語のように言葉は明瞭ではない感じがします。やはり、難しいですね。
【聞き手】
我々日本人は、文法など、やはり授業で習ったことを重視しますからね。
【知事】
英語の授業では、なるべく英語で授業するようにしていますが、そこで先生が話されている言葉も、できるだけ日常的な英語を使うようにしなければいけません。これがまた至難の技でして、その先生の研修も必要ですし、どういう教材を使い分けていくかということもあります。こういうことをきちんとしていけば、福井県の子どもたちはきっと英語がしゃべれるようになるのではないかと思っています。
【聞き手】
西川知事は既に英語教育に力を入れていらっしゃいますが、例えばこれまでどんなことをなさってきたのでしょうか。
【知事】
英語は日本人だけでは教育できませんから、特にALTですね、外国語指導助手の人数をずっと増やしてまいりました。これにより、留学はできなくても、できるだけ身近な英語に直接触れることができます。
その結果、福井県の学校では生徒数のわりにはALTの数が非常に多く、全国第1位なのです。平均しますと、福井県ではALT1人当たり生徒は500人ぐらいですが、全国の平均は約4,000人ですから、何倍も手厚くなっていると思います。
それが入試センターの英語のリスニングや、全国レベルの英語のコンテストなど、さまざまなところで表れているのかもしれません。
これからは、英語をはじめとする外国語が、普通科だけではなく職業系の学校でもそれ以上に必要になってくると思います。そのため、こうした英語能力の底上げが、今後の課題だと思っています。
【聞き手】
既に力を入れ始めている英語教育の結果はすぐには出ないかもしれませんが、3年、5年、10年、この先じわじわと効果が表れることが期待されますよね。
【知事】
そうですね。福井県に勤務しているALTの諸君は、福井で教育を良くしたいと積極的なのです。そのため、現場の教員がうまく彼らの活躍をバックアップできるように、「宝の持ち腐れ」ではいけませんから、いろいろな改善をしていきたいと考えています。
【聞き手】
いろいろな課題がある中で、さらに英会話の機会を充実させるということで、新しい試みも考えていらっしゃるということなのですね。
【知事】
基本は英語など外国語の授業を改善していくということですが、そのほかには、次のようなことを考えています。
1つは、高校生英語キャンプというプロジェクトです。これは昨年度から行っている事業ですが、各高等学校から100名前後の生徒を、夏休み2泊3日の間、ALTや外国からの留学生たちと英語だけで実際に生活をするというものです。英語でのプレゼンテーションやディベートのほか、日常生活や休憩中の会話もすべて英語で話し、3日間、英語漬けになっていただきます。これによって、生徒たちが「自分にとって何が不足しているのか」「ああ、これはこういうことか」というような実体験ができることになります。
【聞き手】
いい勉強になりますよね。3日間、外国に行ったと思えばいいんですね。
【知事】
そうですね。そんな感じだと思います。子供たちは最初非常に戸惑いますし、大変だったようですが、なんとか最後までやり遂げるようです。効果も現れているようで、「自分自身の英語の能力に自信が持てた」と言う生徒もいるようです。
要するに、泳ぐ練習をするために、実際にプールへ「ぽん」と飛び込んでみるとでも言いますか、そういうことだと思います。
【聞き手】
やはり、飛び込んでみないとわからないことはありますよね。
【知事】
そうですね。「畳の上の水練」では、飛躍的な進歩には差し支えるのだと思います。水泳の練習のように、1度沈んでみないと浮かんではこないということではないでしょうか。
【聞き手】
それでは、その「飛び込み」を後押しするようなプロジェクトを考えていきたいということですね。
そのほかに考えていらっしゃることはありますか。
【知事】
そのほかには、イングリッシュシャワーと言いまして、各学校で授業の前やランチタイムを活用し、ALTと英語だけで会話するというプロジェクトがあります。話題はなんでもいいのです。自分たちの町を紹介したり好きな映画など、いろいろな話題を取り上げて、実際に聞いたり話したりする能力を伸ばしていこうというやり方です。
【聞き手】
英語のシャワーですね。
【知事】
そうですね。英語がどんどんどんどん降ってきます。それに、単に「シャワー」と言うと「聞く」だけの話になってしまいますが、そうではなくて、実際やりとりするシャワーです。
【聞き手】
やはり英語力というのは、普段から使わないと伸びないのですね。
【知事】
英語にはいろいろな研究があると思うのですが、「聞くことが8割、話すことが2割程度が理想だ」という説があるようです。
【聞き手】
ALTや留学生の方々としゃべる際には英語を使わざるを得ないと思うんですが、普段の授業では、どうしても日本語に甘えてしまうところがあるのではないでしょうか。
【知事】
そうですね。ただ、話すときのパターンがあらかじめ頭に入っていないと、話そうと思っても話せないということになります。
私は、車に乗ってるときなど暇を見つけては、ラジオ番組を耳にするようにしています。1日10分か15分ぐらいですが、1年ぐらい続けてみますと、それなりに意味がわかってくるわけです。
すると、英語というのは、やさしい前置詞と代名詞の連続したものが素早く読まれるという日本語と全然違うタイプであることがわかってきたのです。我々が想像するよりも、英語というのは、日本語よりもかなりもごもごとしたしゃべり方ではないのでしょうか。
【聞き手】
そういったことが、聞き続けてようやくわかってくるということですよね。
【知事】
そうですね。学校でも、先生がそういう言葉の特色を教えるといいのではないでしょうか。
【聞き手】
英語はもごもごしているということですね。
【知事】
単に文法を教科書どおりに教えてもだめなんだと思います。
【聞き手】
やはり、文法から入ってしまうと苦手意識みたいなものが植えつけられてしまうのでしょうか。
【知事】
そうかもしれません。覚えることが多いからでしょうか。文法などは、高校1年生程度のもので十分なのかもしれません。
【聞き手】
さて、こうしたイングリッシュシャワーのほかにも、来年に向けてまた新たな取組みを考えていらっしゃるそうですね。
【知事】
来年3月に、より高いレベルの英語を学んでほしいと思い、海外への語学研修に、100名ぐらいの生徒さんを思い切って送り出すということを考えています。2週間くらい、アメリカへ行ってもらうことを予定しています。
【聞き手】
100名というのはかなり大がかりですね。
2週間しっかり英語に漬かるということですね。
そうしますと、日本の英語の先生もちょっとうかうかしていられませんね。
【知事】
鳥飼玖美子先生(立教大学特任教授)や松本茂先生(立教大学教授)など、テレビやラジオ番組などに出演されていらっしゃる先生方のお話を聞くと、やはり何といってもまず教える側である先生のトレーニングをしないと、子どもたちの英語力は上がらないだろうということです。
英語の授業では、生徒たちを子ども扱いしたような英語を使ったりせず、ALTの方も日本人向けの簡単な英語でしゃべらないようにするなど、これからはいろいろな工夫が必要だと思います。
そこで、英語教員のための特訓も一昨年から行っています。3~4日の間、テキストやテレビ・ラジオの情報を使って、授業そのもののレベルアップを図るようにしています。
【聞き手】
授業のあり方を今後改善していく、考えていくということですか。
【知事】
できるところから実行したいと思います。
【聞き手】
さて、今日は福井県独自の英語教育についてお話をお伺いしてきましたが、まずは子どもたちが英語に触れることに苦手意識がなくなるといいですよね。
【知事】
そうですね。特別のものじゃないですから。
【聞き手】
楽しいと感じると、またしゃべってみたいなとか思いますよね。
【知事】
ラジオで外国人に日本語を教える番組があるのですが、あれを聞いていますと、日本語を勉強する方がもっと大変だと思います。日本人が英語を勉強する方が、苦労は少ないように思います。
【聞き手】
子供たちの未来の英語力に期待したいなと思います。
今日は福井県の英語教育についてお話をお伺いしてきました。
この時間のお客様、福井県知事の西川一誠さんでした。
西川さん、どうもありがとうございました。
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