平成24年度農林水産業者等提案型共同研究成果概要

最終更新日 2013年5月24日ページID 023476

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1 農林水産業の技術開発

(1)農業試験場

共同研究研究課題名
取組成果の概要  取組成果に関わる写真

クリムゾンクローバーの時期別肥効の解明による水稲収量および品質の向上技術の確立

 あわら市
熊坂営農生産組合

【目的】クリムゾンクローバーは、レンゲのように田植え前に地面にすき込むことで、有機肥料の役割を果たします。そこで、クリムゾンクローバーによる水稲栽培での収量や品質の向上を図るための試験研究を行いました。 

【結果】 水稲の初期生育が安定するクリムゾンクローバーの鋤込み時期は、4月下旬~5月上旬です。水稲の幼穂形成期(7月)の葉色を確認して、葉色が3.5以下の場合は追肥が必要です。

 4/30すきこみ 5/7すきこみ        (4/30)          (5/7)

【すき込む前のクリムゾンクローバの最適な生育状態】

水田麦跡における夏播きニンジンの省力的栽培技術の確立

坂井市坂井町
吹屋北生産組合 飛田雪雄

 【目的】水田で麦を栽培した跡に、効率的にニンジンの種まきを行うための研究を行いました。

【結果】トラクターに、改良ロータリ(写真:上段左)とサイドリッジャ(写真:上段右)と鎮圧ローラと播種機(写真:下段)を取り付けると、地面を耕しながら畝立てが行え、同時に種まきが行えます。さらに、種をまく前に鎮圧ローラーで地面を平らにすることで、苗立ち率や初期生育が向上します。また、播種密度は6条・株間5㎝・1粒播で、従来の栽培方法より45%の増収が期待でき、間引き作業時間(32時間/10a)を省略できます。

 改良ロータリーダブルサイドリッチャー
(改良ロータリ)    (サイドリッジャ)

土壌鎮圧ローラー
(鎮圧ローラと播種機)

【効率的にニンジンの種まきを行う装置の写真】

 カキ「三郎座」を用いた高品質塩水脱渋技術の確立

越前町
中上 弘
 

 【目的】JA越前丹生の管内において「三郎座」と呼ばれる在来種の渋柿があり、昔は、塩水で渋を抜く方法で食されていました。伝統的な方法で渋を抜いた「三郎座」のカキの販売を検討していますが、大量に製造すると渋が完全に抜けないカキがあったり、塩水が濁ったりと、品質の良いものができませんでした。そこで、高品質で塩水で渋を抜く技術の開発を行いました。

【結果】カキを塩水(濃度2%)に漬ける前に、有効次亜塩素酸濃度100ppmで洗浄し、塩水に漬けた後に冷蔵庫内(4℃)で管理することにより、塩水の濁りが抑えられます。渋は30日程度で完了し、冷蔵庫(4℃)で保存すれば40日程度おいしく食べれます。

 三郎座カキ
(塩水入り三郎座カキ)

 

(2)園芸試験場

 共同研究研究課題名
 取組成果の概要  取組成果に関わる写真

 袋培地を活用した希少地域自生植物の商品開発

坂井市三国町
井村 祐治

【目的】近年、県内各地に自生していたササユリ、チョウジソウ「越前大文字草」等の植物は、観賞価値が高いため乱獲等により激減しています。また、これらの植物は市場価値が高いが栽培が困難でるため、増殖がほとんど行われていません。 そこで、園芸試験場で発明された特許技術を用いて、希少価値の高いササユリ等を増殖する技術を開発し、商品化を目指しました。

【結果】県内の希少な植物である5品種(ササユリ、チョウジソウ、エチゼンダイモンジソウ、タチツボスミレ、ミメスミレ)について、袋培地を活用した培養により、増殖が可能であり、栽培技術を品種ごとに開発しました。今後、共同研究者である「株式会社 苗屋」でこれらの種子を増殖し、平成26年度を目途に商品化される予定です。

袋培地培養の様子  試作商品
(培養の様子)      (試作商品)

 

(3)畜産試験場

 共同研究研究課題名
 取組成果の概要  取組成果に関わる写真

 若狭牛雌肥育における玄米給与技術の確立

坂井市坂井町
野村 潮司

 【目的】牛のエサは海外から輸入される穀物(トウモロコシなど)が中心で、国産のエサの自給率を高めるため、玄米を若狭牛のエサに利用することを研究してきました。若狭牛の7割は雄牛です ので、雄牛に対する研究を重点的に行っており、近年成果がありました。今回は、雄牛で成果のあった技術を雌牛に試す研究です。 ちなみに、玄米だけを牛に食べさせると牛の肉質が下がりますし、雄牛と雌牛では、エサの好みや体質が異なることに対する解決策を研究しました。

【結果】牛を出荷するの6~7カ月前であれば、玄米を0.2mmに細かく粉砕して、エサで1日あたり2㎏ずつ与えても、発育は良好でした。さらに、エサ代が牛1頭あたり、1万円ほど削減できました。

 若狭牛玄米
 (若狭牛)        (玄米)

(4)水産試験場

 共同研究研究課題名  取組成果の概要   取組成果に関わる写真

 アカモク生態研究および漁獲、出荷手法の開発

美浜町
美浜町漁業協同組合

 【目的】アカモクは海藻で、フコダイン(ヌメリ成分)やミネラルなどの機能性成分を多く含まれるが、福井県ではあまり食べられていません。そこで、アカモクの商品化に適した収穫時期や、漁獲したアカモクの適切な保管、輸送技術を開発し、商品化を目指しました。

【結果】 福井県でのアカモクの収穫に最適な時期はフコダインが最も多く含まれる生育初期で、4月中旬~5月上旬頃でした。収穫後は海水を入れないで輸送するのが適切で、保管方法は冷凍もしくは塩蔵が適しました。今後、アカモクを健康食品として商品化していく予定です。

アカモク調査 
(アカモク調査:美浜町日向)

アカモク
(収穫したアカモク)

 放流用ナマコ種苗の効率的大量生産手法の検討

小浜市
嶺南漁村青壮年協議会

 【目的】ナマコは、中国で高級食材として需要があり近年、需要が高まっています。県の栽培漁業センターでは、ナマコの種苗を生産していますが、稚苗の生産が需要に追い付かず、効率的なナマコの稚苗生産法を求められており、効率的に稚苗を生産する方法を研究しました。

【結果】ナマコを卵から育てるため、カキ殻を再利用して制作した付着器(上段左写真)を使って天然採苗を行いましたが、ナマコの付着が少なく、実用的ではありませんでした。そこで、人工で卵からふ化させ体長8mm程度まで育てたナマコを飼育器(上段右写真)に付着し、海中で育成したところ、これまで栽培漁業センターで実施していた稚苗生産より、低コストでナマコも早く大きく成長しました。

 カキ殻を再利用した飼育器 透明波板を使用した飼育器
 (付着器【天然採苗】)  (飼育器【人工採苗】)
ナマコの稚苗
(3㎜程度に育った放流ナマコ)

(5)総合グリーンセンター

 共同研究研究課題名
取組成果の概要     取組成果に関わる写真

 越前カンタケの早期発生(芽出し)技術の開発

美浜町
佐竹成雄

 【目的】越前カンタケは福井県の特産ブランドきのことして平成3年に品種登録され、12月~3月にかけて県内のスーパ等で販売されております。
 カンタケは、冬の気温が低いほど菌床からたくさんカンタケが発生して収量が多くなりますが、暖冬の年は、カンタケの発生に支障をきたし、平成23年度の12月の収量は、前年度と比べて半分以下となりました。 そこで、暖冬でも収量を安定させる技術の開発に取り組みました。

【結果】カンタケの菌床を米保管用冷蔵庫で7~14日間冷蔵(4℃)した後に、ハウスで11月中旬に菌床に直射日光が当たらないよう、適度な湿度を保ちながら管理を行うと、通常より1か月以上早い11月下旬から出荷することが可能でした。また、通常は同じ菌床で12月~3月の間に収穫を2~3回行いますが、11月下旬から収穫が可能となり、3月までに最高4回収穫でき、収量が1.5倍になりました。

ハウスでの栽培状況
(ハウス内)

 カンタケ発生状況
   (発生し始めたカンタケ)

 地元産山菜の流通量を拡大する栽培技術の確立

永平寺
河合康二
福井市
福井市南部農業共同組合
葉わさび生産グループ

 

 
 【目的】県内では、山菜の販売量が少なく市場取引価格が安いため、収量と品質向上で山菜栽培農家の所得向上を目指し、ワラビ、ウド、葉ワサビについての栽培方法を検討しました。

【結果】ワラビとウドは、肥料をやることで収量が増加しました。肥料は、1回あたり20kg/10aで、時期は収穫後と3月の2回行う方法が最も収量が増加し、収量は肥料なしと比べて1.2倍増加しました。葉ワサビの種子は、湿った状態で一定の期間低温に合わないと発芽しないため、発芽の良い種子処理法を検討しました。土の中で約70日保存し、その後に、冷蔵庫(5℃)で40日間の置くことで、発芽率が向上しました。また、種を播く時期により発芽率が異なり、10月下旬から11月上旬が最も良く、収量向上が見込めました。

 
わらび
(収穫したワラビ)
 ウド栽培地施肥をしたウド施肥しないウド
 (ウド栽培地)(肥料ありのウド)(肥料なしのウド)

ハウスでのワサビ栽培状況出荷されるワサビ
 (ハウス内の葉ワサビ)    (出荷前の葉ワサビ)  

 

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