トップページ > 平成16年7月福井豪雨による災害に関する情報 > 福井豪雨に伴う農作物等の被害対策について(第3報)
平成16年7月28日
福井県農業総合指導推進会議
福井県地方では、降水量の少ない状態が続いており、7月6日〜7月25日までの降水量は平年に対し、福井観測所のデータで166.6%(7月18日の豪雨を除くと36.8%)、平均気温は1.8℃高くなっている。(平年比はいずれもアメダス地点)。今後も当分真夏日が続き、降水確率が20〜30%と、まとまった雨は降らない見込みである。
| 本年 | 平年 | 比または差 | |
|---|---|---|---|
| 総降水量mm | 253.5 | 152.2 | 166.6% |
| 平均気温℃ | 27.1 | 25.3 | +1.8℃ |
注:18日は197.5mmあり、その値を除外すると36.8%(平年比)となる。
福井豪雨被災圃場における対策は、併せて「福井豪雨に伴う農作物等対策について(第2報)」も参考にされたい。
1 高温、多照が続き、田面や稲体からの蒸発や蒸散作用が大きいため、水田の水が切れないよう、きめ細かい水管理を実施する。特に排水側の田面が白く乾かないよう注意する。
2 台風通過前後のフェーン時(蒸散過多)や強風日は深水管理とする。褐変籾ひいては茶米予防のため、出穂直後の稲では強風の前または後に薬剤散布を行う。
3 水不足地域や干ばつが予想される地域は、地域内で話し合い、水系別の計画的な配水や、節水取水制限、排水の再利用等を検討する。また、水田の畦畔回りや水尻部からの漏水がないよう、止水対策を十分にする。用水が十分確保される地域は、刈取前5日まで入水する。
4 干ばつ田は、稲体組織が弱くなり、倒伏が助長され、籾水分の乾燥程度が早まるので、やや早めに収穫し、品質の低下した籾は別仕分けとする。
5 高温年次の登熟の進行は、籾や枝梗の黄化が進み籾水分の乾燥程度が極めて早くなる。しかし、穂軸の黄化は緩慢で、刈取時期を逸し易く、籾水分が20%以下になると立毛中の胴割が多発し、品質低下となるので注意する。適期刈取の予測は、出穂日からの積算気温、刈取数日前からの籾水分測定、青籾残存程度、上位枝梗の立毛中の胴割発生程度等を観察し適期に刈取る。
6 干ばつ時には、海水遡上による塩類濃度障害が発生するので取水に注意し、ECで3mS/cm以下、塩素濃度では1,000ppm以下を目安とする。しかし、緊急の場合には、上記の約2倍の値を目処に、稲の生育状況やその後の天候を考慮して、かんがいの判断を行う。
1 開花期〜莢伸長期にかけては、水分を最も必要とするので畦間かん水を行う。
1 播種にあたっては、土壌の乾燥による発芽不良を防ぐため、条播を基本とし、丁寧に砕土・鎮圧する。
2 乾燥した圃場への表面散播は発芽率が低下するため、播種後にレーキやハロー等による浅い耕耘で土壌混和する。
1 乾燥害は、樹種品種生育時期により、巻き葉、葉の黄化、落葉等の様々な被害様相を示し、はなはだしい時は枯死する。また、果実で肥大不良、陽光面への日焼けの発生等のため品質が悪くなる。特に、根張りの不十分な幼木や若木、浅根性の果樹で被害を受けやすいので早めの対策を実施する。
土壌水分が減少するとまず果実の発育が遅れ、ついで新梢の伸長が止まり、その後枝葉が萎凋するので早めにかん水を始める。かん水可能な樹園地では7〜10日間隔で1回当り15〜20mm程度をかん水する。
真夏の晴天日の場合には果樹園から1日当たり5mmの水分が失われる。土壌が含むことのできる水分量(深さ30cmの土層の有効水分量)は砂土で10mm、壌土で30mm、埴土で50mmである。これらのことから、砂土では晴天日が2日、壌土では6日、埴土では10日でかん水の必要が生じる。砂土や砂壌土では1回のかん水量を少なくしてひんぱんに、埴土、埴壌土ではたっぷりかん水する。また、幼木は根が少なく、乾燥に特に弱いので株元にたっぷりかん水する。
草刈りを行い雑草との水分の競合を回避する。また、刈草や稲わら等を樹冠下に敷いて土壌表面からの蒸散を少なくし、地温を下げる。
高温乾燥が続くとハダニ類、カメムシ類、スリップス類等が発生しやすいので、これらの発生に注意して農薬使用基準に従って薬剤を散布する。
収穫期のナシ、ブドウ等は果実の温度が下がっている早朝に収穫し、涼しい場所で選果選別箱詰め等を行い品質の低下を防ぐ。また、高温で過熟となりやすいので収穫時期が遅れないようにする。
台風10号の接近にともない、農作物等の被害を最小限におさえるため、次の点に留意して下さい。なお、今後の台風の進路などの情報には十分注意して下さい。

台風10号は、八丈島の南東にあって北西に進んでいます。
福井県地方には今のところ、31日午前にかけて接近する見込みで、30日深夜以降風が強くなり、1日いっぱい続くと思われます。
また、台風による活発な雨雲の影響で、31日以降断続的に雨が降り、コースや進行速度によっては大雨になる恐れがあり、直撃するコースの場合、さらに大きな影響を受ける恐れがあります。
台風の進路など最新の情報の把握に努めてください。
台風、フェーン時は褐変籾による茶米の発生防止のため深水とする。特にコシヒカリは、穂揃期〜傾穂期に当たるため、注意する。
台風通過後は直ちに落水するとともに、殺菌剤で防除する。降雨により冠水した圃場や、白葉枯病の常発地では、落水するとともに殺菌剤で防除する(中晩生品種)。
降雨により畝間に水が溜まった場合は根腐れを防ぐため、台風通過後圃場の排水を徹底する。
1 ハウス等施設周辺における排水溝の整備や排水対策を徹底する。また、ハウスの直管パイプ基礎部の埋め込みが浅くなっているものは土を入れてしめ固める。特に先の福井豪雨により被害を受けた地域では徹底する。
2 ハウスの破損個所等を修繕しておく。
3 ビニールハウスはバンドを締め、風が強くなってきたら天窓や入口を閉めて、ハウス内へ風が吹きこまないようにしておく。また、天窓はガタツキ等を修繕し、ハウスバンドをかけて固定しておく。
4 支柱の緩みを直し、支え棒、番線張り等を行い、十分に補強する。
5 果菜類では、果実を若穫りしておく。また、不良果や不良な茎葉はとり除き、株の負担を少なくしておく。
6 土寄せ等をおこない、株のゆれを軽減する。
7 強風により蒸散が促進されるので、土壌が乾燥している場合は潅水を行う。
1 排水溝等の整備を行ない、停滞水を速やかに排除する。
2 台風通過後は、直ちにサイドビニールの巻き上げ、天窓の開放等により、換気を充分に行って室内温度をできるだけ早く降下させる。
3 野菜苗等のしおれが甚だしい場合は、寒冷紗やべたがけ資材等を被覆して、植物体温の低下と蒸散の抑制を図る。
4 茎葉に受けた傷により、細菌病などの病害が発生し易くなるので被害株や被害葉を除去するとともに、防除を徹底する。
5 果菜類などで支柱等が倒れているものは速やかに引き起こす。また、果実の被害程度に応じて摘除する。
6 草勢を回復するため、台風通過後、液肥の葉面散布や追肥を行う。また、土壌表面が固着している場合は、軽く中耕などを行う。
7 根元が露出している場合は軽く土寄せを行う。
1 強風に対して、畦両端のタルキグイ、中間グイを補強する。また、隣接する畦の中間グイ同士をハウスバンド等で連結して横倒れを防止する。
2 風上に防風ネットを設置する。
3 台風の直撃が予想される場合は、収穫間際のものは、収穫して水上げをしておく。
4 集水溝、排水口の溝さらえなど排水対策を行う。
5 花き施設は野菜の対策を参考にする。特に、豪雨で施設等の基礎などの補強が必要な場合は早急に対応しておく。
1 降雨がない場合、植物体からの水分蒸散が多くなり、乾燥害が懸念されるので、圃場が乾燥している場合は潅水、散水を行う。
2 台風通過後、茎葉に受けた傷により病害の発生が懸念されるので、薬剤散布を行うとともに、病害の蔓延防止のため被害茎葉を除去する。(雨で滞水した場合はポンプ等で速やかに排水する。)
3 出荷している圃場では汚れの少ない薬剤で防除するとともに、曲がりや茎葉の損傷程度の大きい切り花が出荷時に混入しないようにする。
1 台風情報には十分注意して、台風の接近が予想される場合には、支柱、突っかい棒、誘引を行う等して、落果倒木防止対策を行う。
2 特にナシでは、棚があおられて波打たないようにする。また、防鳥、防蛾ネットは固定紐のゆるみをなくし、ネットの外側からビニールバンドで固定する等して風であおられるのを防ぐ。固定は必ずアンカー部にする。ネットおよび棚の強度以上の強風が予想される台風の場合はネットをはずす。
3 風台風で降雨が少ないと予想される場合は、土壌が乾燥しているので通過前に可能な限りかん水を行う。
1 降水量が多く、圃場に長時間滞水する場合は根の活力低下、枯死を防ぐため、側溝のゴミ、泥の除去、除草を行う等して水の流れをよくしたり、浅い溝を掘って表面水を園外に流す。
2 倒木した場合は速やかに起こし、支柱などにくくりつける。枝が裂けた場合は傷口を合わせ結束する。折れた場合は切り戻す。いずれの場合も傷口に癒合剤を塗布する。
3 雨による病気の蔓延や、風による樹体の傷口から病気の感染のおそれがあるので農薬使用基準に従い殺菌剤を散布する。
1 フェーンによる高温に注意しつつ、畜舎に雨風が吹き込まないように、戸、窓をしっかりしめておくとともに、強風で破損しないように補強しておく。
特に先日の豪雨で地盤のゆるんでいる箇所の補修や、ごみ等が風で飛散しないような対策を講じる。
1 畜舎に雨が吹き込んだ場合は、風通しを良くし乾燥に努め、消毒も検討する。
2 雨に濡れた飼料や乾草は、すみやかに給与するか、廃棄する。